
「昔はグルジアって習ったのに、いつの間にかジョージアという国名に変わっていた」と感じている方も多いのではないでしょうか。この名前変更の背景には、ジョージアという国の歴史や複雑な国際関係が深く関わっています。一体どこの国なのか、地図上の位置や治安、そしてどんな国なのか、その文化や魅力についても気になりますよね。また、グルジアという旧名前からジョージアへの変更にはどんな違いがあり、その由来は何なのでしょうか。実は女の子の名前としても知られるジョージアですが、今回の国名の変更に至った経緯を詳しく解説していきます。
- ジョージアの国名が変更された本当の理由がわかる
- 「グルジア」と「ジョージア」の呼称の違いがわかる
- 日本政府が呼称を変更した具体的な時期と経緯がわかる
- ジョージアという国の歴史や文化、治安などの基本情報がわかる
ジョージアの国名変更、なぜ?国の基本情報から解説
- ジョージアはどこの国?地図と歴史
- どんな国?気になる文化と治安
- ジョージアの前の国名はグルジア
- 新国名「ジョージア」の由来とは
- 女の子の名前に使われる「ジョージア」
- ジョージアは昔何という国でしたか?
ジョージアはどこの国?地図と歴史

ジョージアは、アジアとヨーロッパの境界に位置する国です。地図を見ると、東にカスピ海、西に黒海があり、北はロシア、南はトルコ、アルメニア、アゼルバイジャンと国境を接しています。「ヨーロッパの秘境」とも呼ばれる自然豊かな国で、コーカサス山脈の雄大な景色が広がっています。
その歴史は非常に古く、古代ギリシャ神話に登場する「コルキス王国」があった場所としても知られています。紀元前にはすでに国家が形成されており、4世紀には世界で2番目にキリスト教を国教とした、信仰の深い国なのです。
その後、モンゴル帝国、オスマン帝国、ペルシャといった大国からの侵略を繰り返し受けながらも、独自の文化を守り抜いてきました。19世紀にはロシア帝国に併合され、1922年にはソビエト連邦を構成する共和国の一つとなります。そして、1991年にソ連から独立を果たし、現在のジョージアとなりました。
どんな国?気になる文化と治安

ジョージアは、古い歴史の中で育まれた独自の文化が魅力の国です。まず特筆すべきは、世界でも珍しい14種類しか現存しない文字体系の一つである「ジョージア文字」を使用していること。丸みを帯びた美しい文字は、街中の看板などでも見ることができます。
また、ジョージアの伝統的な多声音楽「ポリフォニー」は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されており、その複雑で美しいハーモニーは多くの人々を魅了します。食文化も非常に豊かで、チーズがたっぷり入ったパン「ハチャプリ」や、鶏肉をニンニククリームソースで煮込んだ「シュクメルリ」は日本でも知名度が上がってきました。
気になる治安ですが、外務省の海外安全情報によると、首都トビリシなどの主要観光地の治安は比較的安定しています。ただし、ロシアとの国境周辺地域や、独立を主張している南オセチアおよびアブハジア地域は危険レベルが引き上げられているため、渡航は推奨されていません。(2025年時点)

専門家レオ
ジョージアの人々は親日的で、とても親切なことで知られていますよ。豊かな自然と美味しい食事、そして温かい人々がジョージアの大きな魅力ですね。
ジョージアの前の国名はグルジア

現在「ジョージア」として知られるこの国の、前の国名は「グルジア」でした。日本では、1991年の独立から2015年4月21日まで、この呼称が公式に使用されていました。
ニュースや学校の授業で「グルジア」と習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。この「グルジア」という呼び名は、実はロシア語の呼称「Грузия(Gruziya)」に基づいています。ソビエト連邦を構成していた歴史的背景から、日本ではロシア語の呼称が採用され、長らく定着していました。
しかし、ジョージア政府と国民にとって、この呼称はロシアの支配下にあった過去を想起させるものであり、独立国家としてのアイデンティティを示す上で好ましいものではありませんでした。そのため、ジョージア政府は独立後、各国に対してロシア語由来の呼称を使わないよう要請を続けてきたのです。
新国名「ジョージア」の由来とは
新しい国名として日本でも採用された「ジョージア(Georgia)」は、英語での公式な呼称です。この「ジョージア」という名前の由来にはいくつかの説がありますが、最も有力なものをご紹介します。
それは、キリスト教の聖人である「聖ゲオルギウス」に由来するという説です。聖ゲオルギウスは、ドラゴン退治の伝説で知られる聖人で、ジョージアの守護聖人として深く信仰されています。国の守護聖人の名前が、国名の由来となったと考えられているのです。
面白いことに、変更前の呼称「グルジア」も、元をたどれば同じ聖ゲオルギウスに由来するという説もあります。しかし、ジョージアの人々にとっては、ロシア語経由の「グルジア」ではなく、英語呼称である「ジョージア」を使ってもらうことが重要でした。
女の子の名前に使われる「ジョージア」

「ジョージア」という響きは、国名としてだけでなく、英語圏を中心に女の子の名前としても人気があります。俳優のジョージ・クルーニーの「ジョージ」の女性形にあたります。
その語源は、ギリシャ語の「georgos(ゲオルゴス)」で、「大地で働く人」や「農夫」といった意味を持ちます。この名前が持つ、地に足のついた実直で自然なイメージが、多くの人に愛される理由なのかもしれません。
有名な人物としては、アメリカの近代絵画を代表する女性画家ジョージア・オキーフがいます。彼女の力強くも繊細な作風は、この名前の持つイメージと重なる部分があるかもしれませんね。国名と人名、同じ響きでもそれぞれに異なる歴史や意味が込められているのは興味深いことです。
ジョージアは昔何という国でしたか?
改めての質問になりますが、ジョージアは昔、日本では「グルジア」という国名で呼ばれていました。この呼称は、2015年4月22日に日本政府が公式呼称を「ジョージア」に変更するまで使われ続けてきました。
前述の通り、「グルジア」という呼び名はロシア語に由来します。ジョージアがソビエト連邦の一員であった歴史的経緯から、日本ではロシア語の発音に近い「グルジア」が採用されていました。
しかし、これはあくまで日本や旧ソ連構成国など一部の国で使われていた呼称です。欧米諸国をはじめとする世界の多くの国々では、ジョージアが1991年に独立した当初から、英語名の「Georgia(ジョージア)」が使用されていました。つまり、日本の呼称変更は、国際標準に合わせる形で行われたとも考えられます。

専門家レオ
そうなんです。世界的にはずっと「ジョージア」が主流でした。日本がようやくその流れに追いついた、という見方もできますね。
国名変更、なぜジョージアに?ロシアとの関係と経緯
- グルジアとジョージアの違いは何ですか?
- 名前変更を決定づけた最大の理由
- 日本での公式な呼称変更はいつから?
- 日本ではジョージアと呼ぶのはなぜですか?
- まとめ:ジョージアの国名変更、なぜ?を総括
グルジアとジョージアの違いは何ですか?

「グルジア」と「ジョージア」、この二つの呼称の最も大きな違いは、由来する言語と、それに伴う政治的な意味合いです。
「グルジア」は、前述の通りロシア語の「Грузия(Gruziya)」に由来します。これは、ジョージアがロシア帝政やソビエト連邦の支配下にあった時代からの呼称であり、ジョージア国民にとってはロシアの強い影響力を象徴する言葉と受け取られています。
一方、「ジョージア」は英語の「Georgia」に由来し、欧米諸国をはじめとする国際社会で広く使われている呼称です。ジョージア政府は、こちらを独立国家としての正式な呼称としており、国際標準への統一を推進しています。
つまり、単なる呼び方の違いではなく、そこには「ロシアの影響下にある国」と見なされるか、「独立した主権国家」として認められるかという、国家のアイデンティティに関わる重要な意味が込められているのです。
この違いを分かりやすく表にまとめました。
| 呼称 | 由来する言語 | 背景・意味合い |
|---|---|---|
| グルジア | ロシア語 | ロシア(ソ連)の支配・影響を想起させる呼称。ジョージア政府は使用を望んでいない。 |
| ジョージア | 英語 | 国際社会で標準的に使用される呼称。独立国家としてのアイデンティティを示す。 |
名前変更を決定づけた最大の理由

国名の呼称変更をジョージア政府が強く推し進めた最大の理由は、「脱ロシア化」への強い意志と、国家の主権を国際社会に明確に示すためです。
ジョージアは1991年に独立して以来、ロシアとの間で領土問題を抱え、緊張関係が続いていました。特に、ジョージア国内のアブハジアと南オセチアという二つの地域の独立をロシアが後押ししていることが、対立の大きな火種となっています。
そして、この呼称変更の動きを決定的に加速させたのが、2008年に発生したロシアによるジョージアへの軍事侵攻(南オセチア紛争)でした。ロシアは、南オセチアなどに住むロシア国民の保護を名目に軍事介入し、アブハジアと南オセチアの「独立」を一方的に承認しました。この出来事により、ジョージア国内の反ロシア感情は決定的に高まります。
これ以降、ジョージア政府は「グルジア」というロシア語由来の呼称を払拭するため、各国政府への働きかけを一層強化しました。国名呼称の変更は、単なる呼び名の問題ではなく、ロシアの侵略に対する抗議であり、国家の尊厳を守るための外交的な戦いだったのです。
日本での公式な呼称変更はいつから?

日本において、政府の公式な国名呼称が「グルジア」から「ジョージア」に変更されたのは、2015年4月22日です。この日から、「在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律」が施行されました。
この法改正に伴い、それまで「在グルジア日本国大使館」とされていた名称も「在ジョージア日本国大使館」へと正式に変更されています。
法律の施行に先立ち、2014年10月に来日したジョージアのマルグヴェラシヴィリ大統領(当時)と安倍首相(当時)との首脳会談で、呼称変更について合意がなされていました。そして、翌2015年1月の通常国会に関連法案が提出され、可決・成立したことで、正式な変更が実現したのです。

専門家レオ
2015年が大きな転換点だったんですね。この変更により、報道機関や地図、教科書などの表記も順次「ジョージア」に切り替わっていきました。
日本ではジョージアと呼ぶのはなぜですか?

日本が国名の呼称を「ジョージア」に変更した理由は、主に二つの側面から説明できます。一つはジョージア政府からの度重なる強い要請であり、もう一つは国際社会の実情を考慮した結果です。
ジョージア政府は、独立後から日本に対して呼称変更を求めていました。特に2008年の軍事侵攻後はその動きが活発化し、2009年には外務大臣が来日して直接要請を行っています。しかし、当時、日本政府は慎重な姿勢でした。その理由の一つに、アメリカのジョージア州との混同を懸念する声があったためです。
しかし、時が経つにつれて状況は変化します。ジョージア政府の粘り強い要請が続いたことに加え、国際社会を見渡すと、すでに約120カ国以上が「ジョージア」という呼称を使用しており、「グルジア」を使っている国は少数派である実情が明らかになってきました。
これらの状況を総合的に判断し、日本政府はジョージアの独立国家としての意思を尊重し、国際的な潮流に合わせる形で、呼称の変更を決定したのです。
まとめ:ジョージアの国名変更、なぜ?を総括

この記事では、ジョージアの国名がなぜ「グルジア」から変更されたのか、その理由と背景を多角的に解説しました。最後に、記事の重要なポイントをまとめます。
- 日本の公式呼称は2015年4月22日に「グルジア」から「ジョージア」に変更された
- 国名変更の最大の理由は「脱ロシア化」と国家の主権の主張
- 「グルジア」はロシア語由来で、ロシアの支配を想起させる呼称
- 「ジョージア」は英語由来で、国際標準の呼称
- 2008年のロシアによる軍事侵攻が呼称変更の動きを決定づけた
- ジョージア政府からの長年の強い要請が変更の背景にある
- 日本が変更を決めたのは国際社会の潮流を考慮した結果でもある
- ジョージアはアジアとヨーロッパの境界にある国
- 歴史は非常に古く、世界で早期にキリスト教を国教とした
- ワイン発祥の地としても知られ、独自の文化を持つ
- ジョージア人自身は自国を「サカルトヴェロ」と呼ぶ
- 国名の「ジョージア」は守護聖人「聖ゲオルギウス」に由来する説が有力
- 英語圏では女の子の名前としても使われる
- 主要観光地の治安は比較的安定している
- アメリカのジョージア州との混同が、当初の変更への懸念点だった
